私の眼日記 ㉒ (光視症 と閃輝暗点)

私の眼日記 ㉒ (光視症 と閃輝暗点)

読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか?

この原稿を書いている6月半ばは梅雨本番で、雨が続き、ジメジメした日が続いています。

コロナウィルスの規制も少しずつ規制が解かれてきてはおりますが、
油断せずにしっかりと対策を行って下さいね!!

 

さて、今回は「光視症」という眼の症状についてのお話です。

以前の私のBlog記事で取り上げさせて頂いた「飛蚊症」という症状と
よく一緒に文献で解説されていることが多いのです。

「飛蚊症」という言葉は比較的よく耳にするのですが、
「光視症」という言葉はあまり聞かれたことがない方も多いと思います。

 

「飛蚊症」につきましては、「私の眼日記 ⑱」や「私の眼日記 ㉒」の記事にも
取り上げておりますので、そちらを参考になさって下さい。

 

さて、今回の題材である「光視症」、何となく字を見ると想像ができそうですね!!

そうです。光が見える症状ですね。

これは、私も自覚・体験している症状です。

眼の痛みとか重たい感じはないのですが、私の場合は眼球を動かした時に突然、
眼の中で一瞬稲妻の様に「ピカッ」と光を感じたり、
ゆっくりと光が動いて移動する様に見える事があります。

 

天気が良いのに、雨天時に雷を見ている様で気持ちが悪いものです。

特に症状があるのは、若い時に網膜剥離の手術をしている左眼のほうです。

右眼の網膜剥離の手術をしたほうは、あまり感じません。

術式の違いによるものか、網膜の癒着の状態の違いによるものかと思われます。

 

私の勤務している眼鏡店でも視力測定前の問診でお客様から
「目の前で光が飛んだ事がある」という言葉をよく耳にします。

口には出さなくても日頃、経験した方が多いのかもしれません。

 

さて、この「光視症」の原因は何でしょうか?

それは、眼球の網膜が硝子体に引っ張られる物理的な刺激が原因なのです。

本来、硝子体は眼球の中に十分満たされているのですが、硝子体が変性し萎縮すると
後部硝子体剥離が起こり、網膜との間がはがれて水に置きかわります。

顔を振った時に硝子体が揺れて一部癒着している部分で網膜を引っ張るために
それを光のような電気的刺激として脳が感じてしまうのです。

 

ただ単に、硝子体と網膜が剥がれただけでしたら、特に治療の必要性がなく様子を見る事が多いのですが、
そこに裂け目ができて網膜の裏側まで水が入り込んでしまいますと網膜剥離を引き起こしますので、
眼科さんでしっかり眼底検査で見てもらっておいてください。

 

癒着が取れれば光は感じなくなります。

まれに網膜が引っ張られるために網膜裂孔が出来て網膜剥離になることがありますので、
光視症に続いて黒い点がたくさん飛んで見えたり、視野の中に部分的に見えない所が現れたりしたら、
早めに眼底の精密検査を受けて下さいね。

 

少し話はそれますが、これとはよく似た症状に
「閃輝暗点(せんきあんてん)の発作」というものがあります。

症状の代表的なものは、

・突然光が現れ、光によってその部分が見えなくなる。

・両眼に同名性に起こる、初めは小さな光が現れ、
徐々にギザギザした鋸(のこぎり)性の光が拡大していく。

・10分から20分程度持続することが多い。

・原因は、脳血管内の血流の調整不良によるものとされる。
頭の脳の物を見る中枢といわれる部分の血管が収縮し、
一時的に血の流れが変化するためと考えられています。

 

20才前後の若い方に起こる若年タイプの場合はご家族の中に同じ経験を持つ方がおられたり、
発作が起こった時に片頭痛を伴なうことが多いのですが、
55才前後に起こる中年タイプではそのようなことはあまり関係しないようです。

 

「閃輝暗点の発作」は 周期的に起こるのが一般的です。

ただし、回数は月に1~2度のこともあれば、年に1回のこともあります。

回数が多い場合は、血管拡張剤を使うこともありま すが、
まず誘因となるストレスや不眠、過労を防ぐことが大切です。

 

若い方で片頭痛を伴う典型的な若年タイプの場合は、年齢と共に回数も減り
その内にほとんど起こらなくなるのが普通です。

中年タイプの場合は、一般的に中性脂肪が非常に多い方などに起こることもあるのですが、
まれに脳梗塞、脳動静脈奇形、脳腫瘍などの可能性もあります。

確実に診断する必要がある時には脳血管造影検査や MRI検査を施行します。

 

「光視症」と「閃輝暗点の発作」

少し違いが分かりにくいのですが瞬間的に起こるのが「光視症」

10数分間~20分ぐらい続き、周期的に起こるのが「閃輝暗点」

という違いを目安に考えて頂ければと思います。

 

いずれにしても、まず眼科受診・早期発見が病気治療の基本です。

ご心配な場合はまず専門医に診て頂いて下さいね!!

 

今回のお話は、ここまでです。

では、次回の記事をお楽しみに~(@^^)/~~~