補聴器の効果を知る方法

こんにちは、メガネの金剛補聴器担当 大橋です。

数回に分けて補聴器の効果を最大限出す為の機能について書いてきました。

今回はその機能を使って、どれだけ聞こえるか、

補聴器を装用している時の効果について追記したいと思います。

 

前に音場閾値という項目でだいぶ理屈っぽく語りましたが、

実際にはどれだけ聞こえるの?ということが大事だと思います。

 

音場閾値測定では、音がどれだけ大きくなって聞こえていて、

閾値・音の聞こえ始めが改善されているかがわかります。

これだと音は大きく聞こえているけれど、どれだけ聞き取れているのかがわかりません。

 

そこで実際の聞き取りを確認する為に、音場での明瞭度測定というものがあります。

今まで最高明瞭度や音場閾値ということを言ってきたのでなんとなくおわかりになるかもしれませんが、

補聴器を装用した状態で、音場にて明瞭度を測るものです。

 

測定方法は音場閾値と同じで、防音室にてスピーカーから音を出して測ります。

音場閾値のときはウォーブルトーンという振音を使いましたが、

明瞭度測定なので、最高明瞭度と同じく単音節リストを用います。

なんだかややこしそうですが、やっていることは最高明瞭度測定とほぼほぼいっしょです。

最高明瞭度測定の場合は、ヘッドホンから聞く。

音場明瞭度の場合は、スピーカーから聞く。

測定としてはこの違いです。

 

音場明瞭度の場合、聞いてもらう音量としては

50dB~90dBを測定することが多いです。

判定の基準としては連続する3点での結果が望ましいとあります。

例えば、50dB・60dB・70dB、

または、60dB・70dB・80dB、

といった風に続けて3点測定し、

裸耳での明瞭度と、装用での明瞭度を比較するものになります。

 

文字だけではややこしいのでここでひとつ例を。

スピーチオージオグラムに▲と△で印を記入してあります。

この三角は音場閾値のときと同じで、

△が補聴器を着けていない状態の結果、

▲が補聴器を両耳に着けている状態の結果です。

片方だけ着けているときは音場閾値同様、

片方だけ塗りつぶした三角を使っています。

 

このように補聴器を着けた状態での聞き取りと、

裸耳での聞き取りを比べて、補聴器の効果が出ているかを確認します。

今回の例だと、補聴器を着けていないときの△は

50dBの入力音で10%の明瞭度、

60dBの入力音で50%の明瞭度、

70dBの入力音で75%の明瞭度、

80dBの入力音で90%の明瞭度、

となっています。

 

補聴器を着けることによって▲は

50dBの入力音で70%の明瞭度、

60dBの入力音で90%の明瞭度、

70dBの入力音で100%の明瞭度、

80dBの入力音で100%の明瞭度、

となっています。

 

60dBの普通の会話音で比較すると

補聴器がないと50%なので日常会話が正確に理解できないことがありますが、

補聴器を着けると90%になっているので、日常会話は十分理解可能となります。

 

70dB・80dB入力音だと補聴器なしでもある程度聞き取れていますが、

補聴器を着けることで100%になっているので、より聞こえやすくなっているはずです。

 

50dB入力音は離れた時の会話音(3m)の目安なので

裸耳だと10%なのでほとんど聞き取れていません。

補聴器を着けると70%なので、日常会話が可能なレベルになっています。

 

このように音場での明瞭度を知ることで、どういった状況で困っているかを推測することも出来ます。

今回のような例だと裸耳の場合、

正面で大きな声を出せばある程度聞いてもらうことは出来るが、

少し離れたところから呼んだりすると聞こえなかったり、

周りがうるさい環境などでも聞こえづらくなっている

・・・と推測できます。

日常生活において不便を感じている状況と照らし合わせることで

問題点を可視化することが出来、調整にも反映させることが出来ます。

 

ちなみにこれは補聴器の効果が出ていないオージオグラムです。

裸耳の明瞭度はさきほどの効果のあった分と同じです。

補聴器を着けたときに、70dBと80dBで裸耳を下回ってしまっています。

おそらく補聴器で大きな音が出過ぎていて、

大きな音が入ってくると逆に聞こえにくくなっていることが予想されます。

こうなってしまってはせっかくの補聴器が、ただうるさいだけの邪魔なものになってしまいます。

聞き取り能力は上がりにくいこともあるので最高明瞭度以上の効果を出しにくい場合もありますが、

装用して下がってしまっては意味がありません。

音場閾値の測定にて音が大きくなっているかの確認をし、

音場明瞭度の測定で言葉が聞こえやすくなっているかの確認をします。

 

ただ、防音室での測定は測定の為に静かな環境で聞くことに集中しています。

実際の生活では色々な音に邪魔される環境にありますので

あくまで効果の目安ということを知っておいてください。